専門学校卒業時に得られる学位について

専門学校の場合、認可を受けた学校を卒業することで「専門士」という学位を受けることができます。

無認可校の場合には卒業をした時点で学位が付与されることはありませんので、最終学歴はあくまでも高校卒業・中学卒業ということになります。

ただしこの「専門士」という学位は全ての専門学校の分野で付与されるものではなく、予め文部科学大臣によって定められた分野のみとなっています。

「専門士」という制度ができたのは平成7年からと比較的歴史は浅く、生涯学習として行う学業を評価するためという目的で作られました。

なおこの「専門士」は一度大学や短大を卒業した人が新たに専門学校に入学しなおした場合であっても問題なく取得することができます。

専門士という学位が認められているのは全部で8分野で、「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」となっています。

それぞれの学校で必要な課程を修了したときにはその習得した技術や知識の内容も学位証に同時に記載をされるので、就職時などには自分がどういったスキルを備えているかということを示すことができます。

さらに専門士の上位学位として「高度専門士」というものもあります。

専門士と高度専門士を受けるための条件

専門士の学位を受けるための条件となるのは大きく3つあり、「修業年数2年以上」「卒業に必要な授業時間が1700時間以上」「試験などにより成績評価と卒業認定をしている」といったことです。

一般的な専門学校は2年制として募集していることが多いですが、最終的に学位を得ることを考えるならそちらも注意して探すようにしましょう。

一方高度専門士の学位を得るためには同じく3つの条件があるものの、それぞれのハードルが少しずつ高くなっています。

具体的には「修業年数4年以上」「修業年数の期間を通じた教育課程が整備されていること」「修了までの時間が3400時間以上」となっています。

現在ではまだあまり4年制の専門学校は多くはありませんが、より高度な技能習得が必要とされる分野においてはいくつか存在をしているので、最終的にどこまでの学位がつけられられるかということも学校選びのポイントにしたいところです。

なお高度専門士の学位を得た人はそのあとに大学院への入学資格とすることができるので、実質的には大学卒で得られる「学士」と同じ社会的地位ということになります。

高度専門士の認定が多い分野

高度専門士を受けることができる専門学校数は現在全国で180校程度にとどまっています。

ただし一つの学校で複数の専門分野を取り扱う学校もあるので、学科の数では280学科ということになっています。

これは専門士課程となる他の学科数からみてわずか3.2%ということなのでやはりまだまだ高度専門士という制度を利用する人は少ないと言えるでしょう。

高度専門士の認定を受けることができる分野として最も多いのは医療系で、ついで工業系、商業実務というふうになっています。